空飛ぶモンティ・パイソン
Monty Python's Flying Circus
1969年〜1974年

 1969年にイギリス国営テレビBBC-1で放映された、パイソンズ6人による自作自演のTVコメディ番組。もともと「モンティ・パイソン」というグループがあったわけではないのですが、この制作をきっかけに彼らが集まり、以降も活動を続けていったことを考えれば、これをデビュー作と呼んでも差し支えないでしょ。「空飛ぶモンティ・パイソン」は全4シリーズ、45話が放送されました。ただし、第4シリーズだけはジョン・クリーズが参加しておらず、5人だけで制作されています。
 
 「空飛ぶモンティ・パイソン」はいくつかの小さなスケッチ(コント)から構成される30分番組。その内容は多岐にわたり、会話の応酬を中心に展開されるスケッチから、無声映画のような視覚的なスケッチ、訳の分からないまま終わる瞬間ギャグまで様々。 取り上げる素材も幅広く、芸術家や哲学者、女王陛下、当時の有名人、近所のオバサンなどなど、沢山の作品や有名人がパイソンズの餌食となりました。こうしたギャグは元ネタを知らないとつまらないものですが、よく分からなくても思わず笑っちゃうような「おかしみ」を放っているところに、彼らのすごさを感じます。

 『空飛ぶモンティ・パイソン』の大きな特徴の一つと言えるのが、スケッチの連鎖 Link。番組を単なるスケッチの寄せ集めに終わらせるのではなく、前後のスケッチを共通の要素でつなげたり、一話全体に大きなテーマを持たせたりすることで、作品にメリハリと統一感を生み出しました。

 この連鎖で大きな役割を果たしているのが、テリー・ギリアムによるアニメーション。ボッティチェリ『ヴィーナスの誕生』などの美術作品や、昔の写真、そしてテリーG自身のイラストを組み合わせて生まれるアニメーションは、他のスケッチ以上に奇想天外。シュールを通り越して、どこか病的な空気を放っており、番組のスパイス的な存在でもありますね。

 コメディアンやキャラクターの個性に頼りきるのではなく、スケッチの発想とスクリプト(脚本)に面白さを追求した「空飛ぶモンティ・パイソン」。一度ハマるとやめられません。


   第1シリーズ(全13話)
BBC放映開始: 1969年10月5日(日) 22:50〜
低予算だったぶん、スケッチ自体の面白さをシンプルに楽しめる第1シリーズ。毎回、番組の冒頭と終わりには、漂流したり、崖から落とされたりと災難に追われるイッツ・マン(マイケル)が登場。このシリーズからは、『空飛ぶ〜』の代表作とも言えるような、「史上最高のジョーク」(1話)、「ナッジ・ナッジ(このお、チョンチョン)」(3話)、「オカマの木こり」(9話)などが生まれました。ちなみに第1話のクレジットだけは、テリーGがサブ・スタッフ的に紹介されています。

   第2シリーズ(全13話)
BBC放映開始: 1970年9月15日(火) 22:10〜 
英和辞典『リーダーズ・プラス』にも収録されるほど有名な、ジョンの「バカ歩き省」(14話)で始まる第2シリーズ。『空飛ぶ〜』の中で最も人気の高いシリーズと言われており、特に第26話は女王陛下が天覧されるほどの面白さ?「スペイン宗教裁判」の枢機卿3人組(15話)、「レイモンド・ラグジュアリー・ヤッチト(と書いてスロート・グブラー・マングローブ)」(19話)、「哲学科のブルース」(19話)など、人気のキャラクターもぞくぞく登場しました。ポニーキャニオン版には23話と25話が収録されていませんでしたが、1999年に発売されたポリドール版で見られるようになりました。良かった、よかった。

   第3シリーズ(全13話)
BBC放映開始: 1972年10月19日(木) 22:15〜
放送時間帯はゴールデンタイムに移ったにも関わらず、ますます実験的なスケッチが増えていく第3シリーズ。番組が始まったと思ったら、すぐにエンディング・クレジットが流れたり(31話)、放送時間が余ってしまったり(33話)。一つの大きなスケッチだけで展開する「ピザー青年の自転車旅行(34話)なども作られ、スケッチのリンキングも、より巧妙なものとなりました。しかし、こうした試みに熱心であったテリーJ&マイケルに対し、ジョンは既に『空飛ぶ〜』に飽き始めていたと言われおり、心なしか出番も少な目。

   第4シリーズ(全6話)  
BBC放映開始: 1974年10月31日(木) 21:00〜
ジョン・クリーズが脱退し、全6話しか作られなかった第4シリーズ。タイトルも単なる『モンティ・パイソン』となっています。「マイケル・エリス」(41話)など、それなりに面白いスケッチもあるのですが、やはり他シリーズに比べてレベルが落ちているという印象は否めません。つまらなくなった原因は、ジョンという人材を失っただけでなく、それによってグループ力学が崩れてしまったことにあるのかも。でも、ジョンの代わりにテリーGの捨て身の出演が増えているので、ギリアムファンにはオススメかな?


  【ユニヴァーサル DVDメモ】
 発売年月日:2000年6月28日  税抜価格:5800円  商品番号:POBV1005〜1011
 チャプター・メニュー
第1シリーズ][第2シリーズ][第3シリーズ][第4シリーズ
 特典・その他
全7巻を収めたコレクターズBOX(38000円)が、2000年6月28日と2001年6月21日に発売。化粧箱入り、ブックレット付き。こちらは売り切れ。


空飛ぶモンティ・パイソン   空飛ぶモンティ・パイソン


The Total Frontal John Cleese(akkoさん)には、akkoさん自身が大英図書館(!)に御足を運んで調べたという「空飛ぶモンティ・パイソン」の放送日・時間帯などの詳しいデータが紹介されています。非常に興味深いデータですので、ぜひご参考に!

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