| ■イギリス病院事情 |
| 空飛ぶモンティ・パイソン 第26話(U−13) |
医者1First Doctor :ジョン・クリーズ
患者1Patient :マイケル・ペイリン
患者2Patient :マイケル・ペイリン
インタビュアの声 Interviewer's Voice :エリック・アイドル
ナレーション Voice Over :マイケル・ペイリン
医者2 Second Docter :エリック・アイドル
患者3 Patient :グレアム・チャップマン
医者3 Third Doctor :テリー・ジョーンズ
医者4 Fourth Doctor :グレアム・チャップマン
医者5 Fifth Doctor :ジョン・クリーズ
登山家 Mountaineer :グレアム・チャップマン
- 画面:病院。ドアには《集中治療病棟 Intensive Care Unit
》と書かれている。
そのドアが開き、全身包帯姿の患者や、手足にギプスを付け、松葉杖をついている患者たちが、難儀そうに出てくる。
- 医者1(ジョン)
- 整列しろ!さぁ、来い!一日中やっとるつもりかっ?さっさと来い。急げ。
患者たちは苦しそうに集まり、一列に並ぶ。
- 医者1(ジョン)
- ようし。さて、患者をベットに寝かせておく病院が世間にあることは、私も知っておる。睡眠をとり、休息し、体力を取り戻して回復を待つ。だが、いいか。ここでは、そんな事やらん。ベットでのらくらして、医者の手間を取らせたくはないだろ。お前らは、どうしようもない役立たずなんだからな。(患者1に向かって)ん、お前はどうした?
- 患者1(マイケル)
- 脛骨が砕けたのであります、先生。
- 医者1(ジョン)
- 「脛骨が砕けたのであります」だとぉ?「脛骨が砕けたのであります、先生」ってか?はーっ、このミイラ男め。いいことを教えてやろう、親友。脛骨を砕いたくらいで、ゴタゴタぬかすな!こいつを見ろ!(と、隣の患者を指す)。こいつは両腕を骨折しているが、泣き言なんか言っとらんぞ。なぜなら、こいつは男だから…(首を振る患者に気づいて)、こいつは女だからだ。いいか、二度と「脛骨が砕けた」なんて言うな。(患者全員にむかって)駆け足、始めっ!イチッ、ニィ、サンッ!松葉杖を拾え。右の杖を拾うんだ!
脚を引きずりながら、松葉杖一本だけで、駆け出していく患者。しかし、転んでしまう。
- 患者1(マイケル)
- (転ぶ)アガァッ!
- 医者1(ジョン)
- ようし。全体、気を付け。回れ、右。左端から行け。急げ、ふぬけども!さぁ、杖を拾え。傷口に風を当てろ!
画面:医者2(エリック)に切り替わる。彼はタバコを吸いながら、カメラに向かって説明を始める。
- 医者2(エリック)
- (カメラに向かって)この聖プーブス病院で取り入れているのが、ART─活動的回復治療 Active Recuperation techniques─です。我々は、病気になった者でも社会に十分、貢献しうることを、患者に気付かせようと努力しています。(医者2の隣にいる患者にむかって)グリフィス君、サンラウンジまで頼むよ。
画面:カメラが引くと、車椅子に座っている医者2(エリック)が映し出される。包帯を巻いた患者2は、その車椅子を押していく。
- 患者2(マイケル)
- 私は右足3カ所を折り、首の骨は脱臼、頭蓋骨も複雑骨折となりました。だから、重労働を沢山やらなきゃいけないんです。例えば、外科医のお手伝いとかね。
- インタビュア(エリック、声のみ)
- どんなことをなさっているのですか?
- 患者2(マイケル)
- そうですね。今は先生の別荘を建てています。
- インタビュア(エリック、声のみ)
- 看護婦に関しては、どうですか?
- 患者2(マイケル)
- うーん、看護婦さんのことは、よく知らないんです。彼女たちは、患者に接することが禁じられていますから。
- インタビュア(エリック、声のみ)
- 患者全員が働いているのですか?
- 患者2(マイケル)
- いいえ。重態患者はスポーツをすることになっています。
画面:包帯巻きの患者たちがクロスカントリー・マラソンをしている場面に切り替わる。
- ナレーション(マイケル)
- そう、患者から怖れられているものの一つが、マラソンである。
- インタビュア(エリック・声のみ)
- (マラソンの途中で倒れ込んだ患者3に向かって)気分はどうですか。
- 患者3(グレアム)
- 悪くないね。
- ナレーション(マイケル)
- しかし、患者たちには外出が許されています。今週は人手不足に悩むスウィンドンの鋳造工場に行きました。
- 患者が、医者たちの爪を切ったり、靴を磨いたりしている場面に切り替わる。病院ドラマ『Dr.Kldare』のテーマ曲が流れている。
- ナレーション(マイケル)
- 医師たちの職場環境が改善されているのは、この病院だけではありません。
画面:〈聖ネーサンズ病院 ─若くて健康なセクシー女性専門─ St. Nathan's Hospital For Young, Attractive
Girls Who Aren't Particularly Ill 〉と書かれた看板が映る。その下には、医者3(テリーJ)が立っている。
- 医者3(テリーJ)
- 当病院には、医師不足の問題もありません。ベット1台あたり…、いや患者一人あたりに、40人以上の医師がおります。まぁ、正直なところ、ベット1台あたりですがね。
画面:医者4(グレアム)が立っている。
キャプション:金持ちのための医者
- 医者4(グレアム)
- ここの施設はすべて、富裕な人々のための者です。医師は、ひもの硬化した財布を診察し、個人的な資産を摘出することができます。最悪の場合には、患者から全財産を除去する、全体的な貨幣切除手術も辞しません。
画面:〈聖ミカエル病院─つなぎ専門─ St.Michael's
Hospital For Linkmen 〉という看板の下に、医者5(ジョン)が立っている。
- 医者5(ジョン)
- 当病院で行っているのは、スケッチをつながなくてはいけない人々の手助けです。私どもは、彼らが「次はスケッチはどうしよう、なんて悩んだことあるかい?」などと言わないようにします。そして、こんなふうに発言するように、仕向けるんです。例えば…、「さて、お次は登山スケッチ」。
画面:ロープで崖にぶら下がっている登山家(グレアム)に切り替わる。
- 登山家(グレアム)
- 登山スケッチは、まだ出来上がっていないんだ。
キャプション:つなぎ Link
- 登山家(グレアム)
- そのかわり、「美しく青きドナウ─爆発版─」をお見せするよ。
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