■カニバリズム葬儀店
空飛ぶモンティ・パイソン 第26話(U−13)

Man:テリー・ジョーンズ
葬儀屋 Undertaker :グレアム・チャップマン
お客 Man :ジョン・クリーズ
フレッドFred :エリック・アイドル

《アニメーション》
男性が数人の女性をフライドポテトのように、ディップをつけて食べたり、女性が男性の脳味噌をスプーンですくって食べたり、というカニバリズムのアニメーションが続く。
男(テリーJ)
やめ、やめ。もう、カニバリズムはおしまいにしろ。次は清く正しい人々のスケッチです。

画面:葬儀店に切り替わる。

葬儀屋(グレアム)
いらっしゃいませ。
お客(ジョン)
こんにちは。
葬儀屋(グレアム)
お客様、何かご用ですか?
客(ジョン)
ええ、ちょっとお願いしたいことがありまして。先程、私の母が亡くなったんです。
葬儀屋(グレアム)
承知しました。私どもでは死体を扱っておりますからね。
客(ジョン)
はい?
葬儀屋(グレアム)
ええっと、お母様をどうするかについては、3つの方法から選ぶことが出来ます。埋める、燃やす、投げ捨てる。
お客(ジョン)
投げ捨てる?
葬儀屋(グレアム)
テムズ川に放り投げます。
客(ジョン)
はぁ?
儀屋(グレアム)
あっ、もしかして、お母様のことが好きだったとか。
お客(ジョン)
もちろん。
葬儀屋(グレアム)
じゃ、投げ捨てるのは止めときましょ。どちらにします?燃やすのと、埋めるの。
客(ジョン)
どちらの方が良いのでしょうか?
葬儀屋(グレアム)
まぁ、どっちも気持ち悪いですよ。燃やすとしたら、まずお母様を火の中に入れて、パチパチと焼きます。この時、お母様がちゃんと死んでないと、ちょっとショックですけどね。でも、すぐに灰をお渡し出来ますし、それをお母様だと思えば良いんですから。
お客(ジョン)
おお。
葬儀屋(グレアム)
あるいは、埋めるにしても、山ほどのゾウムシとか、気持ち悪いウジ虫に食べられちゃいます。こちらの場合も、燃やすのと同様、まだお母様が生きていたとしたらショックですね。

画面外から、観客のブーイングが聞こえてくる

客(ジョン)
そうですか。でも、母は死んでますよ。完全にね。
観客の声
何か違うのをやれ。気持ち悪いぞ。
葬儀屋(グレアム)
お母様はどちらに?
お客(ジョン)
この麻袋の中です。
葬儀屋(グレアム)
拝見してもよろしいですか?(と、麻袋の中を覗く)。まだ、お若そうですね。
客(ジョン)
ええ。そうでした。

観客からのブーイングが更に大きくなっていく。

儀屋(グレアム)
フレッド!(と、店の奥にいるフレッドを呼ぶ)
フレッド(エリック)
なあに?
葬儀屋(グレアム)
食用のヤツが来たぞ。
お客(ジョン)
えっ?
フレッド(エリック)
よし。じゃぁ、オーブンのスイッチを入れとくよ(と、去っていく)
お客(ジョン)
あ、あの、失礼ですが…。えっと、私の母を食べるって事なんでしょうか?
葬儀屋(グレアム)
えっ、ええ。(少しバツが悪そうにたじろいで)…まぁ、生じゃありませんよ。ちゃんと調理します。
お客(ジョン)
はっ?
葬儀屋(グレアム)
焼いてね、フレンチ・フライとブロッコリーを添えます。ソースは西洋わさびで…。
お客(ジョン)
ふむ、言われてみると、小腹がすいてきたような…。
観客の声
恥を知れ!(といったブーイングの声)
葬儀屋(グレアム)
そりゃ、イイ。
お客(ジョン)
バースニップはありますかね?
葬儀屋(グレアム)
フレッド、パースニップも付けてくれ。
お客(ジョン)
ほんとは、こんなこと良くないって思うんですけど…。
葬儀屋(グレアム)
いいですか?もし、お母様を食べて、その後で罪悪感を感じたりしてもですね、墓を掘って、その中に吐き戻せばいいんですよ。


 怒った観客たちがセットになだれ込んでくる。観客はグレアムたちをたたいたり、抗議の声をあげたりして、スケッチを台無しにしてしまう。そこに突然、国歌が流れだし、観客や俳優たちは騒ぎをやめ、「気を付け」の姿勢を取る。そこにエンドロールがかぶって、番組はおしまい。



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