■コンキスタドール・コーヒー
空飛ぶモンティ・パイソン 第24話(U−11)

上司 Boss :ジョン・クリーズ
フロッグ Forg :エリック・アイドル

場面:オフィス。上司(ジョン)が、『ビジネスマンのための中国語 "Chinese for Business Men"』という本を片手に、中国語の発音練習をしている。と、ノックの音がする。

上司(ジョン)
入りたまえ。

オフィスの窓が開き、フロッグ(エリック)が部屋に入ってくる。

上司(ジョン)
やあ、フロッグ。
フロッグ(エリック)
S.フロッグです。
上司(ジョン)
黙れ。君にちょっと言いたいことがあるんだが、フロッグ。
フロッグ(エリック)
S.フロッグ。
上司(ジョン)
黙れ。君が企画したコンキスタドール・コーヒー Conquistador Coffee の広告キャンペーンのことなんだがね。今朝、コンキスタドールの社長が私のところへ来て、あのキャンペーンについて、とても遺憾だと言っていたよ。非常に、遺憾だと。そればかりか、彼は自分のことを撃ってしまった。
フロッグ(エリック)
ダメだったの?
上司(ジョン)
いや、大命中。

上司は机の後ろから、コンキスタドール社長のものと思われる死体の片足を持ち上げ、《ジョーク Joke 》と書かれたカードをカメラに向ける。

上司(ジョン)
社長は秘書にメッセージを残していったんだが(と、ロッカーのドアが開いて、死んだ秘書が倒れ込んでくる)、そこには君の仕事に対する落胆ぶりが書かれてあったよ。特に「コンキスタドール・インスタント・コーヒー 」という商品名を、どうして「コンキスタドール・インスタント・レプロシー Conquistador Instant Leprosy」に変えたのか、とある。なぜだ、フロッグ?
フロッグ(エリック)
S.フロッグ。
上司(ジョン)
黙れ。どうして、そんなことをした?
フロッグ(エリック)
ジョークです。
上司(ジョン)
ジョークだとっ?(上司は先程の《ジョーク》と書かれたカードをカメラに向ける)
フロッグ(エリック)
いえっ、違います。ジョークじゃありません。販売促進キャンペーンです。(フロッグは《いいえ、販売促進キャンペーンです No,a Sales Campaign 》と書かれたカードをカメラに向ける)。
司(ジョン)
そうか、フロッグ。
フロッグ(エリック)
S.フロッグ。
上司(ジョン)
黙れ。この売り上げ成績を見てみろ。

コンキスタドール・コーヒーの売り上げを示す折れ線グラフが映る。グラフは数段階にわたって、下降線を描いている。

司(ジョン)
君がこの仕事を引き受けたとき、コンキスタドールは業界第一位だった。(ガクンと下がったグラフの折れ部分を指して)ここは、君が最初のキャンペーン「コンキスタドール・コーヒー、それは《吐き気》という言葉に新たな意味をふきこむ 」を打ち出したとき。(更に一段下がった部分を指して)それから、ここが「一瓶お買いあげごとに、犬の死体をもれなくプレゼント」という特別広告を出したとき。そして、ここがキャンペーン第2弾「飲むとヒリヒリする新鮮なコンキスタドール社製コーヒーは、あなたにエキサイティングなコレラ、疥癬、水腫、梅毒、硬蹠病をお届けします」をやったとき。
フロッグ(エリック)
ソフトな宣伝でしょ。
司(ジョン)
どこソフトだ、フロッグ。
フロッグ(エリック)
S.フロッグ。
司(ジョン)
黙れ。どうなんだ?
フロッグ(エリック)
でも、みんな、この名前を覚えましたよ。
上司(ジョン)
確かに知ってるな。お陰で工場は焼き討ちにあったよ。オーナーは浴室に隠れている。(と、銃声が聞こえる)。オーナーは浴室に隠れていた。(上司は《ジョーク》と書かれたカードをカメラに向ける)
フロッグ(エリック)
僕をクビになんかしないよね。
上司(ジョン)
クビだって?3人が死に、工場は焼け崩れ、売り上げはガタ落ち、我が社は完全に倒産。お、お前に何が言える?どんな言い訳をするつもりだっ?
フロッグ(エリック)
ゴメンね、父さん(フロッグは《ジョーク》と書かれたカードをカメラに向ける)。
司(ジョン)
まぁ、いいか。お前のフィルムは賞も取ったことだしな。


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