| ■求む!図書館司書 |
| 空飛ぶモンティ・パイソン 第10話(T−10) |
牧師 Vicar :テリー・ジョーンズ
面接官 Chiarman :グレアム・チャップマン
ゴリラ Gorilla :エリック・アイドル
画面:部屋にツイード・ジャケットを着た軍人風の面接官が座っている。その両隣には牧師と女性の面接官が座っている。
面接官はシーザーの写真を手に持っている。隣の牧師が写真を覗き込もうとするが、面接官はそれを遠くに放り投げてしまう。
- 牧師(テリーJ)
- 何の写真?
- 面接官(グレアム)
- シッ!(ドアに向かって)次の人!
ゴリラ(エリックの声)が部屋に入ってくる。
- 面接官(グレアム)
- おはよう。フィリップ君だね?
- ゴリラ(エリック)
- はい、そうです。
- 面接官(グレアム)
- では、すわりたまえ。
- ゴリラ(エリック)
- はい(と言って、椅子に座る)。
- 面接官(グレアム)
- それでは、図書館司書を志望する理由を簡単に述べてもらおう。
- ゴリラ(エリック)
- はい。学校で図書館の仕事を経験したことがありまして。
- 面接官(グレアム)
- なるほど。どんな仕事を?
- ゴリラ(エリック)
- 高等科学図書館で働いたことがあります。
- 面接官(グレアム)
- ふむ。フィリップ君、分かっているとは思うが、図書館司書の仕事には非常に重大な責任が伴う。つまり、書籍の選択、蔵書の記録、美術収蔵品の管理といった仕事だ。しかし、致命的なことに、君にはプロとしての経験が欠けている。その上、君はゴリラだ。それでは来館者が怯えてしまう。
- 牧師(テリーJ)
- (面接官に向かって)彼、ゴリラなの?
- 面接官(グレアム)
- そうだ。
- 牧師(テリーJ)
- 履歴書にはゴリラなんて書いてないじゃないか。
- 面接官(グレアム)
- 別に種まで書く必要はないんだ。
- 牧師(テリーJ)
- 顔写真は?
- 面接官(グレアム)
- シッ!(ゴリラに向かって)フィリップ君、図書館における検閲については、どういう考えを持っているのか聞かせてくれないか。
- ゴリラ(エリック)
- と、申しますと?
- 面接官(グレアム)
- 例えば『ブルックリン最終出口』や、あるいは…『グルーピー
Groupie 』を蔵書に加えるかね?
- ゴリラ(エリック)
- ええ、入れると思います。
- 牧師(テリーJ)
- それは結構。
- 面接官(グレアム)
- 君はなかなか、ものの分かるゴリラのようだね、フィリップ君。包み隠さず言うと、当館はいくつかの問題を抱えている。前任のロバートソン君は有能な司書だったが、先週、来館者3人に襲いかかってね。それを苦に自殺してしまった。
- ゴリラ(エリック)
- お気の毒に。
- 面接官(グレアム)
- いや、気にしないでくれ。私に言わせれば、図書館とは人々が黙りこくって座り続けているような退屈な場所では決してない。当館が野性動物を司書として雇う方針を取っている一番の理由も、そこにあるのだ。
- 牧師(テリーJ)
- 動物司書は、検閲にも寛容だしね。ピューマはハンク・ジャンソン
Hank Janson の本を開架式の…。
- 面接官(グレアム)
- そうだ、そうだ。(何か憑かれたような目つきで)そうだとも、フィリップ君。本に傷が付いていると苦情を言いに来たヤツが、館長に会いたがるだろう。その時、誇り高き顔つきの猛獣が狭苦しい職員室から飛び出して、本を奪い去り、その鋭い歯をヤツらの柔らかい肉に食い込ませる…。私にはその眺めが、この上ない喜びなのだよ。フィリップ君、いやコング!君を図書館司書として採用しよう。君はなんと威厳に満ち、獰猛であることか!やってくれるね?
- ゴリラ(エリック)
- い、いえ…、辞退させてください。
- 牧師(テリーJ)
- どうして?
- ゴリラ(エリック)
- ほ、本当はゴリラじゃないんです。
- 牧師(テリーJ)
- なに?
- ゴリラ(エリック)
- 私はぬいぐるみをかぶった司書なんです。
- 面接官(グレアム)
- なぜ騙した?
- ゴリラ(エリック)
- 採用して貰うには、これが一番いいと言われたものですから…。
- 面接官(グレアム)
- 出て行け、司書フィリップ。お前はゴリラなんかじゃない、ゴリラの皮をかぶっているだけだ。職を得るために、我々を欺こうとするとは…。
ゴリラは部屋を出ていく。
- 面接官(グレアム)
- 次っ!
犬が部屋に入ってくる。
- 面接官(グレアム)
- パティンソン君だね。…おすわり!
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