| ■イタリア語会話教室 |
| 空飛ぶモンティ・パイソン 第1話(T−1) |
先生 Teacher :テリー・ジョーンズ
ジュゼッペ Giuseppe :マイケル・ペイリン
マリオリーニ Mariolini :ジョン・クリーズ
フランチェスコ Francesco :エリック・アイドル
ドイツ人 German :グレアム・チャップマン
イタリア語会話教室の教師(テリーJ)が黒板に近寄る。黒板には「夜間教室
7−8時」と書いてある。教師はそこに「イタリア語」と書き加える。
- 先生(テリーJ)
- あー、みなさん、こんばんは。イタリア語教室も第2回を迎えました。今日もいっしょにイタリア語を勉強してゆきましょう。先週は手始めに、「スプーン」をイタリア語で何というのかを勉強しましたね。さあ、覚えている人は何人くらいいるかな?
- 生徒たち
- シィ!シィ!シィ!(と言って手を挙げる)
生徒たちは一斉に手を挙げて返事をする。しかし生徒たちはみな口髭を生やし、マフィアのようなスーツを着ており、いかにもイタリア人という風貌。
- 先生(テリーJ)
- 全員いっぺんには無理だよ。マリオ、座りなさい。じゃあ、ジュゼッペ!
- ジュゼッペ(マイケル)
- イル・クッチエイノ。
- 先生(テリーJ)
- 良くできましたね、ジュゼッペ。これをイタリア語で言うと、「モルト・ベーネ、ジュゼッペ」です。
- ジュゼッペ(マイケル)
- グラツェッ、セニョール。…グラツェッ、ディ・トゥッタ・ラ・ズ・ジェンティレッツァ。
- 先生(テリーJ)
- じゃあ、今週はイタリア人と会話するときに役立つフレーズをいくつか覚えていきましょう。まず、自分の出身地を紹介するときの言い方です。私の場合はこう言います。「ソノ・イングレース・ディ・ジェラード・クロス*1」。私はジェラード・クロス出身のイギリス人です、という意味になります。それでは、みんなで言ってみましょう。
- 生徒全員
- 「ソノ・イングレース・ディ・ジェラード・クロス」
- 先生(テリーJ)
- いいですね。それじゃ、今度は誰かに言って貰おうかな。んーっと、君は?
- マリオリーニ(ジョン)
- マリオリーニ。
- 先生(テリーJ)
- それではマリオリーニ、君の出身は?
- マリオリーニ(ジョン)
- ナポリ、セニョール。
- 先生(テリーJ)
- え…。君、イタリア人?
- マリオリーニ(ジョン)
- シィ、シィ、セニョール。
- 先生(テリーJ)
- えーっと、その場合は「ソノ・イタリアーノ・ディ・ナポリ」になります。
- マリオリーニ(ジョン)
- アー、カピスコ、ミレ・グラツェッ・セニョール…。
- フランチェスコ(エリック)
- ペル・ファヴォーレ、セニョール!
- 先生(テリーJ)
- はい?
- フランチェスコ(エリック)
- ノン・コノスゲーヴェ・パリアメンテ、セニョール・デーヴォ・メ・パルロ・ソノ・イタリアーノ・ディ・ナポリ・クァンド・イル・ハビターレ・ディ・ミラノ。
- 先生(テリーJ)
- 困ったな、分からない。
- ジュゼッペ(マイケル)
- (フランチェスコを指さしながら)友達は「どうして僕は…。
突然、教室の後ろでドイツ人(グレアム)が手を挙げ、立ち上がる。彼はレーダーホーゼンを履き、緑のフェルト帽子をかぶっている。
- ドイツ人(グレアム)
- ビッテ・マイン・ヘル。ヴァス・イスト・ダス・ヴォルト・フュア・ミッテルシュメルツ?
- 先生(テリーJ)
- ヘルムート、君はドイツ語会話教室に行きなさい。
- ドイツ人(グレアム)
- オー、ヤア。ダンケ・シェーン。(彼は席を離れる)。アー、ドイチェ・クラスツィマー、…アハ!(と言いながら教室から立ち去る)。
- ジュゼッペ(マイケル)
- 彼は「僕はミラノに住んでいるのに、どうして『私はナポリ出身のイタリア人です』と言わなければいけないのか」と言うです。
- 先生(テリーJ)
- あー…、じゃあ、こう言って貰えるかな。もしミラノに住んでいるのなら、「ソノ・イタリアーノ・ディ・ミラノ」と言いなさいって。
- フランチェスコ(エリック)
- (不満げに席から立ち上がって)イィィィィッ!ミラノ・エ・タント・メグリオ・ディ・ナポリ。ミラノ・エ・ラ・チッタ・ラ・ピュ・ベラ・ディ・トゥッティ…ネル・モンド…。
- ジュゼッペ(マイケル)
- 彼は「ミラノはナポリよりも素晴らしい」と言うです。
- 先生(テリーJ)
- そんなこと言っちゃダメだよ。比較級はまだ勉強してないんだから。
生徒たちがイタリア語で言い合いを始める。教室の後ろではイタリア人のマンドリン奏者が"Quando
Caiente Del Sol…"に似た曲を演奏し始め、教室内は収拾がつかなくなる。先生は鎮めようとするが、すぐにあきらめて、グッタリと席に座り込む。とたんに、ブタの悲鳴が聞こえる。
- *1 ジェラード・クロス Gerrard's Cross
- 研究社『リーダーズ・プラス』によれば、ジェラード・クロスとはロンドンのソーホーにある通りで、中華料理店が立ち並ぶ中華街である、とのこと。「どうして、このセリフで笑いがおこるのかなぁ」と気になっていたんですが、中国人街出身のイギリス人がイタリア人にイタリア語を教えてるから、おかしいんですね。って、説明されたギャグなんて、ちっともおかしくないですけど。 →戻る
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